会長挨拶・役員一覧

会長挨拶

会長 永井和子 日本声楽発声学会は、昭和39年(1964年)10月「衆知を集め、時間をかけて鋭意研究を進める」という趣意書を掲げて、当時声楽界において第一線に立って活躍されていた城多又兵衛先生(初代理事長)と医学博士の須永義雄博士の英知により「発声指導法研究会」と銘打って発足いたしました。その後、昭和46年度(1971年)の総会において「日本声楽発声学会」と改称し、以後発声実践と医科学とのユニークな融合研究における初心の精神は受け継がれ、日本学術会議に登録された学会として、現在までの50年余りを、発声とその指導法の研究団体として歩んでまいりました。

 日本における西洋音楽の到来は、明治維新の文化文明開化のその時期から始まり、西洋かぶれと形容される生活全般に亘る変化の中で、従来の日本音楽と西洋音楽は2分され2つの道を歩み始めました。新鮮な西洋の外来音楽は、これまでとは全く異質な感覚をもつものであったに違いありません。それは日本人にとって日本古来の民族芸術の音感覚、リズム感覚からの脱却であったと云えましょう。教育法も従来の日本の口伝式習得法から、自らの力で習得出来る楽譜という独創的なメソードの上に成り立つ西洋音楽習得法に、戸惑いながらもその技術は目を見張る勢いで全国に広がっていきましたことは、今を生きる私たちにも大いに理解できる出来事であります。

 しかし、こと声楽という「声」を楽器とするジャンルにおいては、楽譜を前に据えながらも技術習得においては依然として個人の体感を通して行なわれる口伝式伝授法から抜け切ることが出来ないまま年月は経ちました。その状態を先達は痛感し、それが日本声楽発声学会を立ち上げる発意となりました。その方法は、人体の構造から解明する医科学の理論に基づいての知識改革からの技術習得法であります。

 各民族が持つ特有の素質、素養のすべては、いかなる条件が現れようとも無くなることは決してなく、また個人においても同じく、その素質、素養は失われることはありません。

 国際性とは民族対等であります。音楽芸術は、民族、国境、国籍を超えたところに存在すると誰しも申します。他民族の文化の模倣は、自己に具わった民族性及び文化への自覚と、その比較の中で両洋の文化を生かしてこそ個人としてのアイデンティティが生まれ、真の芸術を生み出すことができると考えます。

 その基本となる発声に関わる人体の機能を熟知し、現在を担う私たちは、50年前に着眼された研究者の指針から外れることなく、ますます追及する集団として発展することを念願して鋭意努力している学会であります。

平成28年度 役 員 名 簿 一 覧

[ 役 職 ]
( 敬称略 )
 
顧問
堀内 久美雄
音楽之友社代表取締役社長
 
平野  実
元久留米大学学長・医学博士
 
丹羽 勝海
元日本大学芸術学部、大学院教授・声楽家
 
嶺  貞子
東京藝術大学名誉教授・声楽家
相談役
小林 武夫
帝京大学千葉総合医療センター耳鼻咽喉科教授・医学博士
 
佐藤心乃介
元江東区立中学校長・声楽家
 
三林 輝夫
東京藝術大学名誉教授・声楽家
 
宮原 卓也
元武庫川女子大学教授・医学博士
 
山田  実
桜美林大学名誉教授・学芸博士・声楽家
会長
永井 和子
大阪音楽大学名誉教授・声楽家
副会長兼
事務局長
川上 勝功
日本大学芸術学部講師・声楽家・合唱指揮者
 
 
 
副会長
佐々木正利
岩手大学教授・声楽家
理事
泉  恵得
琉球大学名誉教授・声楽家
 
河合 孝夫
河合孝夫音楽研究所所長
 
齊藤  祐
鹿児島大学教授・日本教育大学全国音楽部門大学部会代表・声楽家
 
重田 敦子
重田敦子発声研究所代表・元慶応義塾女子高等学校教諭
 
鈴木慎一朗
鳥取大学准教授・博士(学校教育学)
 
竹田 数章
仙川耳鼻咽喉科医院院長・医学博士
 
豊田喜代美
沖縄県立芸術大学教授・声楽家・博士(知識科学)
 
永原 恵三
お茶の水女子大学基幹研究院教授・博士(文学)
 
西浦美佐子
西浦耳鼻咽喉科・沖縄県立芸術大学音声生理学講師
 
虫明眞砂子
岡山大学教授・声楽家
監事
池田 京子
信州大学教授・声楽家
 
清水 喜承
学習院名誉教授・声楽家
名誉会員
飯田 忠文
元信州大学教授・声楽家
 
川村 英司
日本フーゴー・ヴォルフ協会理事長・声楽家
 
高橋 大海
東京藝術大学名誉教授・声楽家
事務局
安原 道子